その他
樋口真嗣監督・小椋俊一氏監修により昭和ガメラ3作品の4Kデジタル修復版制作決定!
【ガメラ生誕60周年】を記念し、シリーズの記念すべき第1作目『大怪獣ガメラ』、シリーズ2作目、バルゴンの虹色光線など色彩豊かな特撮表現が光る初カラー作品『大怪獣決闘ガメラ対バルゴン』、人気怪獣ギャオスが初登場、「子どもの味方・ガメラ」という昭和ガメラシリーズの特色を打ち出し、人気を不動のものとした3作目『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』の3作品の4Kデジタル修復版の制作が決定しました!
4Kデジタル修復の監修は、『ガメラ 大怪獣空中決戦』、『ガメラ2 レギオン襲来』、『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』の特技監督にして、最新作Netflix映画『新幹線大爆破』で話題沸騰の樋口真嗣監督と、映画のフィルムの色味を、監督・キャメラマンの意向を汲みながら整える重要な職人的ポジションである“タイミング”として約30年間活躍後、多くの名作の4Kデジタル修復監修を手掛ける小椋俊一氏。樋口監督と小椋氏はともに80年代後半、株式会社IMAGICA(現・株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービス)で勤務、『ガメラ 大怪獣空中決戦』、『ガメラ2 レギオン襲来』、『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』に樋口監督は特技監督、小椋氏はタイミングとして参加する等、キャリアの要所要所でご縁がある間柄です。樋口監督初となる今回の4Kデジタル修復版監修を、小椋氏が豊富な知見でバックアップしています。二人の監修によって生まれた「“まだ誰も見たことがない”昭和ガメラ」、全世界の特撮ファン必見です!!
【樋口真嗣監督 コメント】
私が生まれた年に作られた映画ですから、かれこれ60年前の映画です。本来なら制作に携わった方が監修すべきなのですが、見渡した限りどなたもいらっしゃいませんでした。残念なことです。
そしてこの度、私たちの世代にとってはレジェンド級のタイミングマンである、小椋俊一さんとデジタルグレーディングの第一線を切り拓いているイマジカのカラリスト、阿部悦明さんのお力添えで不肖樋口、いちファンの代表として、この大任を慎んでお引き受けさせていただきました。
暗部に埋もれ、グレインに隠されていた怪獣たちの皮膚感を洗い出し、当時の低感度ネガフィルムに記録されていた現場の空気感を発掘するのは、試行錯誤を重ねて素晴らしい作品を作り出した先輩たちの偉業を追体験するようで、素晴らしく幸せな作業でした。
とりわけ、タイミングデータから明らかになる、オプチカルプリンターを介さずにオリジナルネガを巻き戻して二重露光をしたダブルロール合成カットの多さは衝撃です。ブルーバック合成という選択肢を当たり前のように選ぶことが難しい時代に怪獣映画を撮っていた先輩たちの労苦には感服するばかりです。
誰も観たことのないガメラの誕生を、刮目してご覧下さい。
【小椋俊一氏 コメント】
この企画のお話を頂いたとき、まさか自分の子供のころ劇場で観た「昭和ガメラ」の4K修復に関われるとは思ってもみなかったので、嬉しく思いました。「平成ガメラ三部作」には、タイミングとして関わりました。劇場で皆さんがご覧になったのは、プリントフィルム(ポジ)です。今回の4K修復はネガからの修復です。ポジを通さない分、当然劇場での見え方と変わります。ネガはポジでは表現できなかった明部、暗部のディテール等、豊富な情報を持っています。その情報を損なわないように、なおかつ当時観たような質感を求めて修復しました。ご期待ください。