京劇の俳優養成所で兄弟のように互いを支え合い、厳しい稽古に耐えてきた2人の少年――成長した彼らは、
程蝶衣(チョン・ティエイー)と段小樓(トァン・シャオロウ)として人気の演目「覇王別姫」を演じるスターに。女形の蝶衣は
覇王を演じる小樓に秘かに思いを寄せていたが、小樓は娼婦の菊仙(チューシェン)と結婚してしまう。
やがて彼らは激動の時代にのまれ、苛酷な運命に翻弄されていく…。



巨匠・陳凱歌(チェン・カイコー)監督が香港を代表する大スターの張國榮(レスリー・チャン)を
主演にむかえ、半世紀にも及ぶ激動の歴史を背景に、「覇王別姫」を演じる俳優たちの愛憎を
壮大なスケールと映像美で描く一大叙事詩。
カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞を受賞、世界中を感動の渦に巻き込んだ伝説の傑作が、
公開30周年、レスリー・チャン没後20年特別企画として4Kで鮮やかに蘇る!
京劇の俳優養成所で兄弟のように互いを支え合い、厳しい稽古に耐えてきた2人の少年――成長した彼らは、
程蝶衣(チョン・ティエイー)と段小樓(トァン・シャオロウ)として人気の演目「覇王別姫」を演じるスターに。女形の蝶衣は
覇王を演じる小樓に秘かに思いを寄せていたが、小樓は娼婦の菊仙(チューシェン)と結婚してしまう。
やがて彼らは激動の時代にのまれ、苛酷な運命に翻弄されていく…。
本作は1993年第46回カンヌ国際映画祭にて、台湾のホウ・シャオシェン、イギリスのケン・ローチ、
アメリカのスティーブン・ソダーバーグやドイツのヴィム・ヴェンダースなど並み居る名匠たちの作品を相手に、
最高賞であるパルム・ドール賞を受賞、更にFIPRESCI賞(国際映画批評家連盟賞)も受賞と2冠を達成。
中国語映画では史上初のパルム・ドール賞受賞という快挙を成し遂げた。
また同年、第51回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞受賞、
第59回NY批評家協会賞外国映画賞・助演女優賞(コン・リー)受賞、
第66回米アカデミー賞Ⓡ外国語映画賞ノミネートなど、数々の映画賞に輝き、世界中の観客を魅了した。
本作の主演は香港出身の大スターであるレスリー・チャン。歌手としてブレイクしたのち、俳優としても
ジョン・ウー監督『男たちの挽歌』(86)、ウォン・カーウァイ監督『欲望の翼』(90)や『ブエノスアイレス』(97)、
ピーター・チャン監督『君さえいれば/金枝玉葉』(94)など多くの作品に主演。今もなお世界中にファンをもつ、
まさに香港を代表する世界的大スター。
本作の監督であるチェン・カイコーと同世代の巨匠チャン・イーモウ監督の『紅いコーリャン』(87)でデビューしたのち、
同監督のミューズとして数多くの作品に主演。『秋菊の物語』(92)では第49回ヴェネチア国際映画祭で女優賞を獲得、
本作でも第59回NY批評家協会賞助演女優賞を獲得するなど、中国を代表する国際的な大女優として君臨。
袁役を好演したグォ・ヨウは本作の翌年に主演したチャン・イーモウ監督『活きる』(94)で
第47回カンヌ国際映画祭男優賞を獲得、ヒットメーカーであるフォン・シャオガン監督作品の主演をつとめるなど、
中国映画界を代表する俳優として名高い。
歌、しぐさ、せりふ、立ち回りにより表現を行なう中国の代表的な舞台芸術。1790年に北京で誕生したとされている。
登場人物の年齢や性別、身分などにより、
役柄が主に生(男性役)、旦(女性役)、
浄(隈取りをする男性役)、丑(道化役)の4つに分けられる。
養成所で決められるこの役柄は一度決められると一生変わらないと言われている。
現在はほとんどの俳優が学校で養成されるが、
昔は貧困な家庭の子どもが身売りするような形で養成所に入れられ、そこでの待遇は苛酷だったとも。
その名の通り、“覇王”と“姫”の“別れ”を描いた京劇の有名な演目。
前漢時代の歴史家・司馬遷が「史記」に詠んだ項羽と虞美人(=虞姫)の悲劇を、俳優の梅蘭芳(メイ・ランファン)らが
京劇に書き起こしたのちに自らも演じ、自身の代表作となった。今現在もなお古典の名作として伝えられている。
時は紀元前。秦の始皇帝の死後、西楚の覇王・項羽と漢の
劉邦
が天下を争っていた。
覇王・項羽は劉邦との戦いの中で、愛人・虞姫らと共に垓下(現在の安徽省にある谷)に追い込まれ孤立してしまう。
深夜、周囲(四面)から楚国の歌を聞いた覇王は、自軍が既に漢軍に落ちたと誤解する。
覇王は虞姫に逃げるよう伝えるが、虞姫はそれを拒否して覇王のために舞う。そして舞を舞いながら王の刀で自害する。
張國榮(レスリー・チャン)
鞏俐(コン・リー)
張豊毅(チャン・フォンイー)
葛優(グォ・ヨウ)
製作:湯君年(トン・チュンニェン)、徐楓(シュー・フォン)
プロデューサー:徐彬(シュー・ビン)、徐杰(シュー・チエ)
監督:陳凱歌(チェン・カイコー)
原作・脚色:李碧華(リー・ピクワー)
脚色:盧葦(ルー・ウェイ)
撮影監督:顧長衛(クー・チャンウェイ)
音楽:趙季平(チャオ・チーピン)