市川雷蔵-大映入社後1954年に映画デビュー、1969年に亡くなるまで15年の映画俳優人生の中で、約160本の作品に出演、わずか37歳という若さでこの世を去った映画スター。没後50年経った今でも、多くの人々を魅了して止まない昭和を代表する伝説の映画俳優です。KADOKAWAが保有する旧大映や角川映画の豊富なライブラリー作品を次世代に継承すべく立ち上げたブランド「角川シネマコレクション」。2月より開催しております「京マチ子映画祭」に続く劇場上映企画となる今回は、<没後50年特別企画>「市川雷蔵祭」を開催致します。その目玉として、代表作のひとつである『薄桜記』を雷蔵の主演時代劇作品としては初である4Kデジタル復元版でお届け致します。片腕になりながらも愛する女性のため闘いを挑む男、殺し屋という裏の顔を持つ小料理屋の店主、屈折した気持ちを抱える吃音症の青年…ただ、その愛を全うするために生きる男の壮絶な一生を全身全霊で演じた市川雷蔵―その魅力をスクリーンでご堪能頂けますと幸いです。
プロフィール
1931年(昭和6年)、8月29日、京都生まれ。生後六ヶ月で歌舞伎俳優市川九団次の養子となり、1946年11月、15歳の時に大阪歌舞伎座で三世市川莚蔵として初舞台を踏む(「中山七里」娘お花役)。1951年関西歌舞伎界の長老市川寿海の養子となり、同年6月大阪歌舞伎座「白浪五人男」で襲名披露、市川雷蔵を名乗る。1953年大映より入社を懇願され翌54年入社、同年『花の白虎隊』でデビュー。1958年には初の現代劇である『炎上』(市川崑監督)に周囲の反対を押し切って出演。寺に放火する吃音症の青年という難役を見事に演じ、キネマ旬報主演男優賞、ブルーリボン主演男優賞、NHK映画最優秀主演男優賞を受賞、確固たるスターの地位を築く。また、翌59年には『薄桜記』に主演。辱めを受けた妻のため、片腕になりながらも復讐に立ち上がる男を演じ、代表作のひとつに。このころを境に、長谷川一夫に代表されるような“白塗りの二枚目”から、リアルなメイクとリアリズムを追及したドラマで、雷蔵独自の清々しさと悲劇性を際立たせた作品が多くなっていく。特に後に名コンビと謳われる三隅研次監督の作品には、『大菩薩峠』(60)『斬る』(62)、「眠狂四郎」シリーズなど、雷蔵の個性を最大限に発揮させた傑作が多い。また、池広一夫監督と組んだドラマチックな股旅時代劇『沓掛時次郎』(61)『ひとり狼』(68)、田中徳三監督との『お嬢吉三』(59)『濡れ髪牡丹』(61)の艶やかさ、時代劇の大御所伊藤大輔監督との“歌舞伎もの”『弁天小僧』(58)『切られ与三郎』(60)の華麗な格調高さなど、多様な魅力で年間平均約10本もの作品に主演する。シリーズものとしては、「忍びの者」シリーズ(全8作品)が62年より、「眠狂四郎」(全12作品)が63年より、「若親分」(全8作品)が65年より、「陸軍中野学校」(全5作品)が66年よりそれぞれ始まり、市川雷蔵はプログラムピクチャーの黄金期を担って行くことになる。時代劇と現代劇、その両方に代表作を数多く持つ稀有な映画スターであり、総出演作品数は特別出演を含め約160本にのぼる。1969年7月17日、癌により逝去。享年37歳。
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